危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
詳しいことは言わず、蓮は熱いコーヒーを淹れて、黙ってソファの前のテーブルに置いた。
やっぱりなにも教えてくれない。二人の間には分厚くて高い壁がある。
趣味は? 好きなことは? 一人の時はなにをして過ごすの?
そんなたわいないことでさえ、うまく聞けない。
質問は喉まで出かかって、でも黙殺されるのが怖いから黙ってコーヒーを飲む。
何度も体を重ねても、二人の関係はどこか歪で不安がいつまでたってもぬぐえない。
──今言えないことがあっても、いつか話してほしい。
蓮になにかしら深く傷ついた経験があって、それが蓮の心を固く閉ざしている──単なる勘だが、そんな確信めいた予感があった。
静かな部屋の中で、蓮がぽつりと言った。