危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

「急にやめたくなった理由は……私? それとも聞かないほうがいい?」
「すみれに、話してないことがあるんだ。もう少し状況を整理したら話すから」
「蓮が言いたい時でいいよ。待つから。ありがとう」

 二人の間には一筋縄でいかないなにかがある。
 蓮の口の重さは、そのまま事の深刻さを表していた。軽々しく言えない事情が、たぶんある。だから自分からは急かさない。不安は無視して、物分かりのいい振りをする。
 そうしないと壊れてしまう気がする。とても二人の関係は危ういバランスで成り立っている。

 不安をかき消すように、ソファの上で身を寄せ合った。
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