危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

「そのうちちゃんと話すから、待ってほしい」
「待つ。待つから大丈夫」

 本当は不安でたまらない。本当はほかに恋人がいるとか、本当は好きじゃないとか、そういうのだったらどうしようといつも思っている。
 ゆっくりと唇を重ね、もつれあうようにソファに二人で倒れこむ。広くて固い胸に顔を埋める。
 蓮の手が体を這うと、すぐにでも欲しくなる。
 触れる指から、吐息から、蓮もなにかが不安なのが伝わってくる。

 壊さないよう、これ以上形をゆがめてしまわないよう、すみれにできるのは待つことだけだ。
 大丈夫、きっとうまくいく。
 そう自分に言い聞かせる。
 自分たちは真摯に愛し合っている。それだけで十分だ。なにがあっても乗り越えられる。

 恋の始まりの高揚と期待が、不安を上回る。
 それが愚かな錯覚だと知ったのは、それからすぐのことだった。
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