危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

 ただならぬ様子にいい話ではないことは察したが、蓮の義姉だという人を無碍にもできない。近くの喫茶店に入ることにした。

「蓮と付き合っているのね」
「はい」
「蓮の家族のことは聞いている?」

 黙って首を振る。
 家族の話をしたことはない。ただ言えないなりの事情があることは察している。一度だけ尋ねたら、ひどく傷ついたような顔をした。もうあんな顔をさせたくない。聞いたら、なにかが終わってしまう。そんな悲しい予感がした。

「蓮の両親が殺されたことも?」
「え……?」

 さきほどの血が繋がっていないという言葉を思い出す。
 あまりの衝撃に言葉を失った。紅茶のカップを持つ手が震えた。
< 185 / 284 >

この作品をシェア

pagetop