危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

 やはり本当だったのだろうかという疑念が強くなる。

 職場に休むと連絡し、すみれは父のいる実家へと向かった。
 家の周りにはすでに多くのマスコミがいて、すみれの姿を見ると、皆一斉にカメラを向けた。

「お嬢さんですよね? お父様の疑惑についてどう思いますか」
「被害者の息子さんが秘書をしていたという情報もありましたが」

 矢継ぎ早に飛んでくる質問の中に聞き捨てならないものが混じっていた。記事を読むのは途中でやめたけれど、そんな情報まで流れているのかと思い、ぞっとした。

 ──今は父と話さなくちゃ。

 父を問い詰め、本当にやったのか聞くつもりだった。嘘を吐かれても見抜けると思った。昔から勘だけはいいから。
 すみれの手を掴む記者を、門の前に常駐しているSPが止める。
 記者たちの間を縫うように門を開け、久しぶりに実家に帰る。
 
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