危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
もう認めたも同然だった。終わった。
蓮の両親を奪ったのは父なのだ。幸せだった日々がはるか遠くに思えた。まるで夢の中の出来事のように曖昧で輪郭を失っていく。
「いいか、すみれ。余計なことをしたらあいつも消す」
「……私も大切なものを守るため戦います。蓮になにかあったら、全て暴露します」
無言のまま、父がすみれをにらみつけた。
父に逆らったのは初めてのことだった。
家を出ると、心臓がばくばくと異常な速さで動き出した。
ひどい発作だと自分でもわかる。歩けなくなって、地面に座り込むと、親切な人が救急車を呼んでくれた。