危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
 そんな負の側面から逃げるために、ここへやってきたのだ。コントロール不可能な恋心をどうにかするには物理的距離が必要だった。
 もうスマートフォンも解約したし、連絡を取ることは不可能だ。
 そういえば、とうとう蓮の本当の苗字すら聞いてない。なんてめちゃくちゃな恋愛だったのだろう。

 闇の中雪が降る。音もなく、色もなく。真っ白な景色を見ていると、なぜだか色とりどりの世界が心に浮かんできて、私は無我夢中で真っ白な画用紙に彩りを添えていく。
 いつか蓮と話した物語を形作っていく。嘘でも虚構でも構わない。

「誰に必要とされなくても、私にはこれが必要なんだ」
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