危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
今まで自らの傷を他者に見せることなく、それを隠すようにして生きてきた。
しかし、すみれとの出会い、別れ、その傷を抱えたままの自分を受け入れるようになっていた。
依頼者の目を見て、過去の痛みや後悔がありながらも、新しい未来への希望も確かにあるのだと改めて実感した。
──これでいい。忘れることはできなくても前には進める。
一度受けた傷は完全に消えることはないかもしれないが、それを乗り越えていく力もまたあるのだと。
自分自身、一生をかけて折り合いをつけていかねばならない深い傷がある。
デスクで書類を整理していると、上司であり経営者である弁護士事務所の所長が蓮のほうに来た。
「どうだ。新人。少しは仕事がわかってきたかな」