「みんなで幸せになると良いよ。」
仕事がはじまると忙しくなって当分は自分の時間を持てなくなるだろうから、今日の食事の後ヒイラギにはいつ会えるのかもわからない。

それを聞いたヒイラギはわざわざバイトを交代してもらい、時間を開けてくれた。

恋人ではないけどヒイラギと距離を感じなかった。

正門の前で若い女性が携帯を落とした。
赤ちゃんを抱いた女性は僕と変わらない歳くらいの若いお母さんに携帯を渡すと礼儀正しく頭を下げられた。

大学には珍しかったので


「ここの生徒…じゃないですよね?なにか用事あるんですか?」


と聞いてみると彼女は少し躊躇っている感じを見せて言葉を濁した。


『あっ…まぁ、はい…。』
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