「みんなで幸せになると良いよ。」
夫婦別姓?

野田佐紀ではない、なんか飲み込みづらい事実。
あのひとは手の早い人でとっかえひっかえ色んな人と寝ていたけど、まさか子供まで居たとは。結婚していたとは知らなかった。


『死んだ人を悪く言うもんじゃない』というけど、


悪いことをしたやつはやっぱり悪く言われるべきだ。

だけど、こんな小さい子を前に


「お前の親父は節操がなかった。」なんて言えない。


『野田は私以外にも女性が居たと思います。いや、私で最後ですけど。』


最後?死ぬまえに付き合っていた女性ということだろうけど、野田に付き合うなんて概念はない。
『ヤる』か『ヤッた』か、どちらかだけだ。


「じゃぁ、佐紀ちゃんと付き合っていたときに野田さんは?」


『殺された』というヒイラギの言葉の意味を知らない僕はその言葉を使えない。


『はい。死にました。付き合ってはいませんけど…ね。』


どうやら彼女は野田のことをきちんと把握していたらしい。
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