「みんなで幸せになると良いよ。」
小さい彼が高校を卒業するまであと半年くらいあった。正直、家のお金はもう底をつくだろうと思っていた。十分な貯蓄はないだろうし、ママは唯一の収入源を断たれている。

…あのひとを頼るしかない。


『お父さん、私です。次女の佐紀です。お話があります。』


お父さんへ直談判。

お願いするしかない。

実の娘が泣きながら頼めば幾らお父さんでも許してくれるだろう。
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