「みんなで幸せになると良いよ。」
「佐紀…?次女…?どなたですか?イタズラ電話はやめていただきたい。」


血の繋がりを拒絶したくなる幼稚性。


『待ってください!ひとつだけお願いします。以前の薬局で働けるように取り計らってください。お願いします!』


陰険なお父さんは電話越しでも分かるくらいの声で笑ったの。


「あぁ、あの犯罪者の娘さんですか。これはこれはお久しぶりです。はっはっ」


犯罪者。

その言葉は背筋を凍りつかせ、

実の親へ殺意さえ生む言葉だった。
< 142 / 266 >

この作品をシェア

pagetop