「みんなで幸せになると良いよ。」

電話を切った若い男性医師に

「一応間違いがあってはいけないから僕よりベテランの先生にも診てもらおう。」と言われた。いい気はしなかったが母親の仕業だってことぐらい分かった。



『負けるか。笑ってこの子を産んで出てってやる。』



すぐにベテランの先生とナースが来た。
とくになんの挨拶も説明もなく冷たい表情をしていた。
さっきの男性医師みたいな笑顔も安心もなかった。

ナースに分娩台に座るよう案内されて検査着をまた少し脱がされた。


「ちょっと痛いから麻酔しますねぇ。はい。」


麻酔…？麻酔承諾のサインもしてないのに…？……母親…？


意識は遠く

遠くなって



やがてふつときれた。