「みんなで幸せになると良いよ。」
砂に埋まって見えなくなっていた瓶の中

封筒が入ってる。

白くて皺のない封筒。

汚れのついていないことで最近のものとすぐわかった。

胸騒ぎ。

近くにあった裏返ったボートに思い切り瓶を投げた。分厚いガラスは粉々にならず右手の甲めがけ跳ね返る大きめの破片。

『痛っ…!』

白い封筒を破いて中身を取り出すと数枚の手紙と写真が一枚。斜め読みで文字を目で追う。

「死」というネガティブな言葉を探した。


見つけるたび胸を刺されたように痛かった。
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