「みんなで幸せになると良いよ。」
『泣けるときに泣いとき。泣ける男は優しいんやで。』


優しい言葉は真っ直ぐに胸に届いて、代わりに目から水滴となって返ってくる。

線香の匂い。

着物を着たおばぁちゃんは気立てがよさそうだけど、ゆっくりとした動作に台詞の言い回し。


『うちの旦那さんもテレビ観て泣いたりするんよ。』


不細工に赤らんだ顔でおばぁちゃんを見る。


『その度 やさしいひとと結婚して幸せや思うのよ。』


何も知らない僕を無条件に慰めてくれた。


『あんたのお嫁さんも幸せもんやね。』


否定も肯定もできず、

笑顔になった。



泣きながら笑ってる。
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