「みんなで幸せになると良いよ。」
次の日、講義中に携帯が震えた。

椿から謝罪のメールに昼は奢るという追伸つき。
「じゃ、食堂で。」と短文で済ませ、また、講義の虫になる。

午後。

『昨日はマジでごめん!5杯目の水割りまでやわ、記憶。』

ラーメンと和定食がそれぞれの前に並んでる。
適当な作り話。

「凄かったっすよ。もぅ、公衆の面前で踊る踊る。」

割り箸を割って手を合わせる。

『でっ?それで?』

「それで…怒って泣いてた。一人何役もこなしてたで。」

『嘘ん。嫁入り前の生娘が…やってしまったか、また。』

付け加えられた一言に食いついた。

「また?」

にやにやしてるだろう僕が問いかけた。

『毎度毎度やねん。飲むと記憶飛んで、大体が朝起きたらホテルで全裸。』

恥ずかしがる姿をみせるわけじゃなく、ただやってしまったという情けない癖を後悔するような態度。
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