「みんなで幸せになると良いよ。」
明け方、廊下を走る音が近づいてきた。

少しは期待したけど、夜中に呼び出されてくるわけはなかった。

彼女から逃げるように街を出た僕は卑屈になっていたから。

「ケイ…ケイイチ…。」


…来てくれたんや?


うまく話せなかった。



あれ話そう、これ話そう。

本当は、ずっと前から考えてた。
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