「みんなで幸せになると良いよ。」
署内から出ると陽は昇っていて

「今日の昼、帰るわ。仕事あるし。」

僕が言うと『わかった。』と軽く返した。



『それまでに荷造りする。』





隣で笑ってる彼女。

次に言うはずやった


「またすぐ来るから、良かったらまた一緒に暮らしてくれへんかな?」


その一言、一生言わずに済みますように。




「迎えいくから。」



『これ以上遅れんといてね。ずっと待ってたんやから。』



…ずっと、待ってた…?

そっか…僕は逃げてるふりして

ずっと探してたみたいです。



どうか上手ではなくても、

きちんと愛せますように。

帰り道、手を繋いだ。
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