「みんなで幸せになると良いよ。」
帰り道、手を繋いで歩いた。

はじめて手を繋いで歩いた。

童心にかえって

「今日は楽しかったな。」と僕が言うと、

『来年も浴衣で来ようね。』と笑ってくれた。

ヒールじゃない彼女は少し低い目線で微笑んでいた。

丁度、来年の今日、僕は同じ場所で椿を思い出している。

花燈籠伝いの帰り道で。
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