「みんなで幸せになると良いよ。」
第7章 若い母親と子供

1.大学の正門前で

高い空、太陽は更に高い。

暑すぎる季節は少し遅れてやってきた。
またいろんなことを思い出させてしまう。
天気予報では「今日も真夏日を記録し…」と毎日録画した映像を再生するように教えてくれた。

ヒイラギはもう大丈夫だと思えた。
荒々しさを取り戻してたし、泣かなくなった。
そろそろ野田の死について知りたいなと漠然と思っていた。


このときは気付かなかったけど、椿のことは記憶の隅に追いやっていた。

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