なんでそんなに?思ってくれるの?
「相談?なんかあったんだ」

「まぁね。なんかさ、ある兄弟がいて、弟が長期入院してるのでお兄ちゃんが親に甘えられない感じなんだよね。どこか自分の環境に似てるのもあるし、お兄ちゃんのほうがさ、優しすぎて生きる希望が薄く感じるんだよね」

「ん…、むずかしいな。あんまりさ、注目されないじゃん。きょうだい児って。患者さんのことはさ、親もその他の人も目がいきやすいけど、そのご家族ってなると…」

「うん。プライベートな空間だしね」

「あんま、思い詰めんなよ。重ねすぎるなよ」

海斗は私の家庭事情を知っている。結構深く。その上でやんわりと私の背中を押すというより支えてくれている。

「うん、わかってるよ。でも、私も同じ思いをしてきたから近い理解者だから。私ができることはしてあげたい。それは話を聞くだけでもさ」

カラン
氷が溶けてグラスが鳴った。
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