子兎さんは俺様総長のお気に入り


まったく…って言いながらひと息つく理王。

絶対知られたくない事はまず言わないだろうから、粘れば教えてくれると確信している。



「良かったな、女だよ」


「ほんと!?嬉しいなあ、友達に絶対ならないと!」


「ほーんといい顔するよねお前」



私の読み通り!
粘らずともあっさりと教えてくれた。


女と聞いてすぐに理王は興味が失せてそれ以上は聞かなかったらしい。



男の子だった場合は、素性を全部調べて最悪別のクラスにするよう抗議する姿が容易に想像できてしまった。




「ほら、私前まで田舎で過ごしてたから幼稚園から中学までずっと同じで新しい出会いなかったから」



「それが想像つかねえな、クラス変わってなんなら一度も同じクラスにならずにさよならなんてこともあるし」



「ええ!?それに驚きだよ!新しい出会いといったら先生ぐらい」



そんな他愛ない話をして次の日を迎えるのであった。

この時、転校生がきっかけで一波乱起きることを誰も知らずに。



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