タオル係の、独占欲。(短)

「忘れないのはタオル……じゃなくて。俺でしょ?」

「へ?」

「さっきの」



――私は今日のタオルの事を一生わすれません



「……あぁ!」



アレの事を言ってるのか、緒都くんは。



「や、もちろん……。緒都くんの親切も優しさも、忘れませんよ?」



むしろこんな優しい人に初めて出会いました、と言うと。

緒都くんは、片方の眉を上げて、片方の眉を下げた。……どうやら信用出来ないらしい。


そんな彼が、次に発した言葉とは――



「今日から俺、君のタオル係になる」

「……へ?」

「さすがに毎日フキフキしてたら、俺を忘れないでしょ?」

「や、だから……」


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