タオル係の、独占欲。(短)
もう覚えてますって。
ってか、忘れませんって!と主張するも。
私の言うことは、なぜか緒都くんに信じてもらえないようで。
「ってわけで、今日のタオル係の仕事を始めます」と。
変なアナウンスの後。
緒都くんは、再び私の顔の上に、タオルを走らせるのだった。
◇
次の日。
教室に着いてカバンを開けると、目に入ったのは……袋に入ったタオル。
そう。このタオルは、緒都くんのタオル。昨日、私の涙を散々拭いた後……
『じゃあね、小竹さん』
『ま、待ってください! タオル、洗います! というか、洗わせてください!』
というやりとりの末。
無事に洗濯完了となったタオルを返すべく、家から持ってきたという訳だ。