タオル係の、独占欲。(短)

その時、緒都くんが登校する。

するとクラスの女子達が、朝の眠気にやっと勝ったように。元気な声で口々に「おはよう」と言うのだった。



「やっぱ、やめとこ……」



そんな人気者の緒都くんを見ると、私なんかが緒都くんに「昨日のどういうこと?」って聞くのはおこがましい気がするし。


というか、私と話してるのがバレたら緒都くんが大変だよ。「あの知らんぷりちゃんと話すなんて、緒都くんって……」と、緒都くんが変な目で見られかねない。



それだけは避けなければ……!



と思っていたのに。



「おはよう、小竹さん」

「っ!?」



普通に、緒都くんから話しかけられてしまった。

しかも、ふわりと優しい笑顔付きで。

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