タオル係の、独占欲。(短)
「お、おは……よう?」
「うん」
「……っ」
まずい。ただでさえ私に話しかける人は少ないのに、クラスで人気者の緒都くんが私に話しかけてしまった。
今、クラスの皆の目が、私と緒都くんに集中しているのが分かる。
これ以上の注目は、避けなければ――!
「あ、コレ昨日のタオル? 洗濯しなくても良かったのに。ありがとね」
「!」
ざわっ……
とクラス皆の心が揺らめいた、その波を止める術はなく。
私は顔を俯けたまま、手を伸ばしてタオルを渡す。
もう……、終わりだ。
知らんぷりちゃんの次は、全女子の敵として十字架を背負う羽目になる――
なんて思ってる私の心を、きっと1ミリも知ることの無い緒都くんは、
「あ、いい匂いがする」
なんて。呑気にタオルの匂いをかぐのだった。