タオル係の、独占欲。(短)

「お、おは……よう?」

「うん」

「……っ」



まずい。ただでさえ私に話しかける人は少ないのに、クラスで人気者の緒都くんが私に話しかけてしまった。

今、クラスの皆の目が、私と緒都くんに集中しているのが分かる。


これ以上の注目は、避けなければ――!



「あ、コレ昨日のタオル? 洗濯しなくても良かったのに。ありがとね」

「!」



ざわっ……



とクラス皆の心が揺らめいた、その波を止める術はなく。

私は顔を俯けたまま、手を伸ばしてタオルを渡す。



もう……、終わりだ。



知らんぷりちゃんの次は、全女子の敵として十字架を背負う羽目になる――


なんて思ってる私の心を、きっと1ミリも知ることの無い緒都くんは、



「あ、いい匂いがする」



なんて。呑気にタオルの匂いをかぐのだった。
< 15 / 72 >

この作品をシェア

pagetop