タオル係の、独占欲。(短)

彼女たちのものさしで、緒都くんの価値を決められてるような。

そんな言い方が気に食わなくて……私はつい、言い返そうと口を開けた。



だけど、その時。


パシッ



「はい。しゅーりょー」

「むがっ」



視界いっぱいに広がるピンク。

この肌触り……まさか、タオル?


すると、私の予想は正解だったみたいで。

顔の前にある物に手を伸ばすと、桜色のふわふわタオルに当たる。



タオル……ってことは。

さっき「しゅーりょー」って言ったのって――!



「緒都、くん?」

「うん。ただいま」



涼しい顔をしてみせるくせに、肩で息をして、横顔に汗を何筋も流して。

たまたま通りかかりました、って装ってる。そんな私のタオル係。
< 30 / 72 >

この作品をシェア

pagetop