タオル係の、独占欲。(短)
と私が驚く暇はなく。
視界をタオルで隠されたまま、ズルズルと引っ張られる。
「じゃあ皆ばいばい」と緒都くんが言ったのを聞くと、どうやら教室を出てしまったようで……。
「わ、私のかばん……っ」
「……」
尚も答えてくれない緒都くん。
もし私のカバンを緒都くんが持ってなかったら、取りに帰ろう。さすがの緒都くんも、少し歩けば私を離してくれるだろうし――なんて浅はかな予想をしていたけど、
「はい、靴に履き替えて」
「え、えぇ……?」
緒都くんの言葉により、その予想は、あっけなく崩れ去る。
どうやら緒都くんは、私と一緒に帰るつもりらしい。本当に帰るつもりらしい。一緒に帰る予定だった有美と朋を、さしおいて。