タオル係の、独占欲。(短)

と私が驚く暇はなく。

視界をタオルで隠されたまま、ズルズルと引っ張られる。

「じゃあ皆ばいばい」と緒都くんが言ったのを聞くと、どうやら教室を出てしまったようで……。



「わ、私のかばん……っ」

「……」



尚も答えてくれない緒都くん。


もし私のカバンを緒都くんが持ってなかったら、取りに帰ろう。さすがの緒都くんも、少し歩けば私を離してくれるだろうし――なんて浅はかな予想をしていたけど、



「はい、靴に履き替えて」

「え、えぇ……?」



緒都くんの言葉により、その予想は、あっけなく崩れ去る。

どうやら緒都くんは、私と一緒に帰るつもりらしい。本当に帰るつもりらしい。一緒に帰る予定だった有美と朋を、さしおいて。
< 48 / 72 >

この作品をシェア

pagetop