タオル係の、独占欲。(短)

緒都くんの目が、スッと細くなった。

そんな緒都くんの顔を……男らしい顔を、初めて見た気がして。



――俺が、君を独占したいって、そう言ってるの!



さっきの言葉も重なって、私の心に台風でも来たような混乱が訪れる。


その混乱が……、少しこわい。


私の知らない何かが、私の奥底から引っ張りだされそうで。その感情に、翻弄されてしまいそうで。



だから今、慌てて蓋をした。



そして、どうやら緒都くんは、私が蓋をした事に気付いたみたいだった。

一定の距離をとり、見えない境界線を引く――そんな私の臆病な行動を全てを見透かした彼は……気に入らないのか、顔を歪めた。

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