その推し、死なせません~悪役令嬢に転生した私、ループを繰り返しラスボスを救う~
 気付けばステイシアの身体は透過したようにぼんやりとしていた。
 前回よりも随分と早い別れ。

「ス、ステイシアさん、もう体が消えかけて……速すぎません?」

 それはもうこの術の効果があまり残されていないことを示しているような気がして……紙安は胃の中が冷えたように感じた。

「くそっ、こんなにも早く!? とにかく、お前は呪いを解く方法を探して! 他の晶還士に協力を頼んでもいいから! わかったわね――!?」

 ギリギリ言葉を伝えきってステイシアの身体が消え――。
 返事をする間もなく紙安は次のステージへと送り出される。

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