茨の蕾は綻び溢れる〜クールな同期はいばら姫を離さない〜
(ああ……私……ナカが東雲くんの形に馴染んでる)

体の力が抜けた百子は、ぐったりと陽翔の肩に頭を預け、自分を貫いている陽翔の熱杭に意識を向けた。すると襞が動いたようで陽翔が小さく声を上げたので、百子は下腹に少しだけ力を入れた。

「くっ! こら、締めんな」

百子が陽翔の反応を伺っていたずらしたのがどうやらバレたらしい。だが百子は首を傾げて知らないふりを突き通す。

「え? 何もしてないよ?」

そう言いながら再び百子は、先程よりも強く下腹に力を入れた。正確には下腹とお尻を引き締めただけなのだが、陽翔の体が跳ね、心なしか彼の熱杭が膨張したような感覚を得た。百子はそんな様子を見せる彼が愛しく思えて、彼の頭をそっと撫でる。

「もう止まらねえぞ。覚悟しろ」

陽翔の頭の中で何かがプツンと切れた。陽翔は百子と向かい合ったまま腰を動かして執拗に彼女の少しだけ固い子宮の入り口を攻め立てる。

「ひっ……! あああああっ! おく……!」

百子は真っ白な浮遊感に何度も襲われながらも、陽翔にしがみつく腕は絶対に離さない。

「んんっ! ああっ! しの、のめ、く……」

「陽翔だ」

陽翔は何故百子が自分を名字で呼ぶのかがよく分からず、苛立ちを声に滲ませる。先週はベッドの上で呼んでくれたので有頂天になっていたものの、また名字呼びに戻ってしまい、ずっと心にもやもやを抱えていたのだ。しかもその理由を尋ねても、顔を赤くされてはぐらかされるだけである。

「……はる、と……」

しかし百子がその瞳に怯えを混ぜて陽翔の名前を呼んだので、彼はしまったと思い彼女をきつく抱き締めた。その時に百子の襞が熱杭を締め上げたので低く呻く。

「すまん……別に怒ってないから……でもこれからは名前で呼んでくれ。それとも呼べない理由があるのか」

百子は言葉を詰まらせてしまったが、しょげきった陽翔の声を聞いて黙っていることはできなくて渋々白状した。

「……恥ずかしくて。だって……最初に陽翔って呼んだ時はベッドで体を繋いでた時だったじゃない。だから……陽翔って呼ぶとその時を思い出しちゃって……」

(そうか……恥ずかしかっただけなのか)

陽翔は大きく息を吐いた。それなら確かに百子が恥ずかしい気持ちが理解できる。それと同時に彼女が名前を呼ぶだけで恥ずかしくなるのが何だか可愛らしく思えて、陽翔は百子の顔を引き寄せて口付けた。

「てっきり俺の名前を呼ぶのが嫌なのかとばかり……変な勘違いしてすまん」

百子はぶんぶんと首を振った。

「嫌な訳……ないじゃないの。だって……私も……私も陽翔が好きだから」
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