余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
時間はすでに夜11時を回っていて、それでもまだまだ決まらない。


「あのね萌、服装のことで大樹くんが萌のこと嫌いになったりすると思う?」


「それは……」


「ね? 服装も大切だけど、それくらいのことで嫌われることはないんだから、安心しなさい」


そう言われたらもうなにも言えない。


萌は母親が選んでくれた青いワンピースをクローゼットから取り出して、ハンガーにかけた。


明日はきっと楽しい1日になる。


一生忘れることのできない最高のデートになる。


萌はそう信じてベッドに潜り込んだのだった。
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