余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
☆☆☆

萌が明日を楽しみにしてようやく眠りについた頃、大樹はベッドの中で悪夢にうなされていた。


さっきから何度も寝返りを打ち、額には脂汗が浮かんできている。


しかし夢はしっかりと大樹を掴んで現実に戻ることを許さない。


夢の中で大樹は学校の廊下にいた。


それはいつも見慣れた校舎だったが、どこか様子がおかしいとすぐに気がついた。


ふと気がついたのは蛍光灯がすべてついていないことだった。


校舎内を照らしている光は窓から差し込む陽の光だけで、それも今はとても弱々しい。


一体今は何時なんだろう?
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