契約婚初夜、冷徹警視正の激愛が溢れて抗えない
 ぱあっと笑顔になるのを自分でも感じながら声をあげて玄関に向かうと、両親や和也も後ろからついてきた。
 本当の恋人を紹介するわけではないけれど、この挨拶に私の人生がかかっている。
 どうか両親が結婚に賛成してくれますように。
 心の中でそっと祈りながら、玄関を開ける。すると、ネイビーのスーツを着た柊吾さんが紙袋を手に持って立っていた。
 ああ、一週間ぶりに見る柊吾さんは、私の記憶の中の彼よりも神々しい。
「時間通りですね。タクシーで来たんですか?」
 柊吾さんに会えたのが嬉しくて少しハイテンションで尋ねると、彼は私を見つめながら答える。
「ええ。その服とても似合ってますよ」
 不意に褒められて顔が熱くなる。
 今着ている高級ブランドのピンクのツーピースは、柊吾さんがプレゼントしてくれたものだ。サイズもピッタリだったし、ひと目見て気に入った。
「あ、ありがとうございます。きっと柊吾さんの見立てがいいんです。柊吾さんも素敵ですね。さあ、上がってください」
 そう声をかけると、彼は両親と和也に目を向けた。
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