極悪令嬢は何度でも華麗に返り咲く〜さて準備は整ったので、私の人生返していただきましょうか〜


 王家に仕える侯爵家には特殊な力が宿るとされていても、私には王家を支える力が宿らなかった。

 お母様はそんな私を愛してくれたけど、お父様からは侯爵家の恥だと蔑まれ続けた。

 流行り病でお母様が亡くなって直ぐに後妻を娶ったお父様は、突然できた腹違いの聖女の力を持つ妹と無能な私を比べては、利用する価値もないと見捨てて来た。

 それでも私は、侯爵家に生まれた者として王家の役に立とうと決意した。

 だから私はリリアナを守る盾となるべく、極悪令嬢と呼ばれても尚、彼女を――この国を支える聖女を守ってきたというのに。


「リリアナ、これは何かの間違いよね……?」


 ようやく紡いだ言葉は弱々しく、自分でも想像以上に今の状況に混乱していることが分かった。

 国を破滅へと導く?私にはそんな大きな力なんてないこと、リリアナが一番分かっているでしょう?

 こんなにも私はあなたのことをたった一人の大切な妹だと、そう心から想っているのに。


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