だから聖女はいなくなった
「おひめさまが出てくる絵本」
「おいしい食べ物が出てくる絵本」
「動物がたくさんかつやくする絵本」
子どもたちの言葉に耳を傾けながら、サディアスはゆっくりと立ち上がった。
いつまでも一か所にとどまってはいけない。
「では、次は、たくさんの絵本を持ってくるよ」
次にサディアスは、石盤で字の練習をしている子どもたちの様子を見て回る。
「じょうずに書けているね」
教師がついているわけでもない。それでも彼らは手本を見て、丁寧に石筆で文字を書いていく。石盤いっぱいに文字を書くと、布で書いた文字を消し、次の文字を書く。
「サディアス様……」
字を消し終えた女の子が、ふとサディアスを見上げた。
「ラティアーナ様は、もう来てくださらないのですか?」
「ラティアーナ様は、聖女をやめてしまわれたから」
「おいしい食べ物が出てくる絵本」
「動物がたくさんかつやくする絵本」
子どもたちの言葉に耳を傾けながら、サディアスはゆっくりと立ち上がった。
いつまでも一か所にとどまってはいけない。
「では、次は、たくさんの絵本を持ってくるよ」
次にサディアスは、石盤で字の練習をしている子どもたちの様子を見て回る。
「じょうずに書けているね」
教師がついているわけでもない。それでも彼らは手本を見て、丁寧に石筆で文字を書いていく。石盤いっぱいに文字を書くと、布で書いた文字を消し、次の文字を書く。
「サディアス様……」
字を消し終えた女の子が、ふとサディアスを見上げた。
「ラティアーナ様は、もう来てくださらないのですか?」
「ラティアーナ様は、聖女をやめてしまわれたから」