だから聖女はいなくなった
『カメロン。何があったの?』

 カメロンも泣きそうな顔をしていた。

『どうして、ラッティなんだ……』
『……え?』

 父親の呟きにラッティも聞き返す。

『おじさん、ラッティには俺から話します』

 そう言ったカメロンは、ラッティを部屋から連れ出した。そして、神官たちがやってきた理由をぽつぽつと話し始める。
 黙って聞いていたラッティであるが、彼女は淡々とそれを受け入れた。
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