最強メイド!おぼっちゃまたちをお守りします!
 ……ああ、好きだな。

 ただ純粋に、そう思った。
 正直恋かどうかなんて分からない。
 でも、ただ柊さんっていうその人が好きだと思ったんだ。

「面白いよ? お姫様みたいに可愛いのにメイドだし、弱そうなのに強いヴァンパイアだし。それに、僕のことをよく見ているし」
「っ! それは、最近のことを言ってるんですか?」

 最後の言葉に私は腕をバタバタさせて慌てる。
 でもさっきの子たちにも気づかれていたくらいだし、私が柊さんを見ていたこと本人が気づかないわけないよね?

「それもあるけれど、今の話もね。僕のことを考えてくれてるんだなって……嬉しいよ、ありがとう」
「いえ……」
「でも聞いていいかな? どうして最近あんなに僕を見ていたの?」
「うっ」

 やっぱりそこはつっ込まれちゃうかぁ……。
 できれば秘密にしておきたかったけれど、聞かれてしまった以上話した方がいいかな。
 理由も分からずジッと見られてたなんて、すっごく気になってただろうし。

 私はどこまで話そうか少しだけ迷って、結局【ウニークス】のことを簡単にだけれど全部話した。

「……僕が、望乃さんの【ウニークス】かもしれない、か」
「あ、あくまで『かもしれない』ってだけですから! 気にしないでください」

 確かなことじゃないし、変に気にして欲しくないし。
< 62 / 127 >

この作品をシェア

pagetop