星が代わりに泣いてくれるから
一語、一語絞り出すように伝える。
初めてだ、こんなに自分の気持ちを伝えることは。


情けなくて、辛くて、でも乗り越えないといけなくて。

思わず家を飛び出した当てのないドライブだったのだ。
彼は知る由もないだろうけど。

わーとそこらかしこから歓声が上がる。
流星群が流れ出したのだ。

私たち二人も向かい合っていたけれど空を見た。そらにまっさらな一本線を描いて消える。それがいくつもあって実に美しい。三回願い事を唱えないといけない。だけれどこの幻想的な空を前に口は動かない。なら、願いは叶わないんじゃないかと思うと余計に涙が零れた。

レンは呆然と、だけれどどこか自分を責める様に「ごめん」と呟いた。
レンの方を見る。苦しそうで、やるせなさそうで仕方のない顔をしていた。
目をきゅ、とつぶっては何度も指で目を擦っている。少しだけ目が充血している。
流星から目を離してセリカの目を指で拭う。
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