星が代わりに泣いてくれるから
「…俺は今日の一件でそこまでセリカを追い詰めていたのを知った。いや、前から節々に感じていたことはあったが逃げてた。セリカの考えるセックスは子どもを授かることが前提だろう?まずそこがプレッシャーだった。会社も業績が悪くなるときもあって安泰とは言えない状況で、自分は係長にあがった不安もあってかあんまり勃たなくなったんだ」
その言葉にドキリとした。ただでさえ回数の少なかったセックスで勃たないって言われた時、私はたしかに絶望したのだ。表情に出ていたのかレンは苦笑した。
「わからないかもしれないが、思ったよりもコレは繊細で簡単に萎えたりはする。勿論年もあるだろうけれど…。それがまあ男にとって辛いし、言えない。一回あっただろ、その時。その時のセリカの残念そうな顔を思い出すと情けなくて仕方ないんだ。逃げたくて仕方なかった。仕事に走って、まあこのざまというか。」
あまりにも自嘲めいたように言った。
「ごめんな。本当に余裕なかったんだ。いなくなって血の気が引いた。本当に心配したのに腹が立った。今までごめん、全部俺のせいだ」