クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
痛ッ――。
硬くなってる雪が、私の背中に衝撃を与えた。
やばい。
これってやばいよね。
やっぱり私は今年も痛い目に遭うの?
もう十分に痛い思いしたのに……。
「おい、黙ってないで謝れよ。
赤鼻のトナカイ」
や‥だ……
怖い――!!
男がもう一度私を掴もうとした時、
トナカイの手が、男の腕を掴んだ。
「なんだこいつ」
男が振り返った後ろには、
黒鼻のトナカイが立っていた。