愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
そこへ五十嵐さんが割り込んできて、はっきりとした口調で「優多」と呼びかけ、彼女の手を握った。

「まだまだ俺は隊長には及ばないけど、いつか必ず超えて優多を幸せにするから」

一途で頼もしい台詞に、横で聞いていた私と北斗さんまで面食らう。

優多さんはまいったように息をついた。

「……北斗さん。この子、こういう台詞を恥ずかしげもなく言うんだけど。おたくの教育どうなってるの?」

「それは俺の教育じゃない」

北斗さんも五十嵐さんのこんな一面は知らなかったようで、困惑している。

五十嵐さんは「だめですよー、隊長」と人差し指を立てる。

「愛情表現は派手すぎるくらいしないと。思っているだけじゃ相手には伝わりませんから。気づいたらほかの男のものになってたーなんて、ざらにあるんですからね?」

過去に痛い目でも見たのか、そんな熱弁をする。

すると北斗さんは「お前に心配されなくても大丈夫だ」と五十嵐さんを余裕の眼差しで見下ろした。

「言われなくても、愛情表現なら毎日嫌ってほどしてる」

売り言葉に買い言葉なのか、私の肩をぐいっと抱き寄せ、あろうことか額にキス。

「ほ、北斗さん!?」

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