愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
彼が人前で惚気るなんて。よっぽど五十嵐さんに煽られたのか、あるいは――。

「へーえ? 毎日どんな愛情表現されてるのかしら?」

優多さんがにや~っと笑って、ここぞとばかりにからかってくる。

「俺も負けない!」

五十嵐さんは対抗意識を燃やして優多さんに向き直るけれど、即座に「真似しなくていいから」と先手を打たれ、不完全燃焼。

予期せず目にした北斗さんの意外な一面、そしていたずらな眼差しを向けてくる優多さん、悪気なく煽ってくる五十嵐さんに翻弄されて、私はすっかりまいってしまった。




四人で食事をしたあと、北斗さんと五十嵐さんは帰宅。私と優多さんは後片付けと開店に向けた打ち合わせをしてから家路についた。

「もう。北斗さんがムキになって、あんなこと言うから」

あれからずっと優多さんにいじられて大変だったのだ。

一足先にシャワーを浴び終え、リビングのソファでくつろぐ北斗さんに物申す。

彼は私を膝の間に座らせて、うしろから抱きしめながら、ふたりきりのときにしか発しない甘い声を出す。

「嘘は言っていない」

彼が首筋にキスをしようとするから「ダメよ、まだお風呂に入ってない!」と慌てて制止した。

「別にいい。気にしない」
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