愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
私はふっと口もとに笑みを浮かべ、甘えるように体を預けた。

「言ったでしょう? 私は北斗さんを支えたい」

彼の意志を尊重したい。そりゃあ心配ではあるけれど、不安を先回りして嘆くのはもうやめたんだ。

彼はそれだけ誇り高い仕事をしているのだから。

「北斗さんにしかできないことがあるって、今ならわかる。北斗さんになら助けられる命がある」

絶望の中、助けを待っている人がいる。自分がそうだったからよくわかる。

ひとりでも多くの人を助けてあげてほしいから。

「全力で応援する。それから、北斗さんに負けないように、私も頑張る」

彼の隣で胸を張っていたい。私は私にできることを頑張ろう。

「ありがとう。真誉」

北斗さんは柔らかな笑みを浮かべる。

「でも、忘れないでくれ。俺が一番守りたいのは真誉だ」

そう言って彼は、ゆっくりと私の左手を取った。

反対側の手には、どこから取り出したのか、小さく銀色に光るものがあって。

「受け取ってほしい」

それはプラチナのリング。中央にはダイヤがひと粒輝いていて、これ以上ないくらいの愛が込められているものだとわかった。

「北斗さん……これ……」

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