愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
一週間が経ち、店の定休日がやってきた。北斗さんは非番で、一日自宅待機だ。
「ちょっと付き合ってくれないか?」
北斗さんからそうお願いされ、私たちはキッチンに立った。
「スタミナのつくおいしい料理を教えてほしいんだ。隊員たちに振る舞いたい」
「お料理当番のこと? それって、新人さんのお仕事じゃないの?」
兄から聞いたことがある。レスキュー隊含め、現場勤務の消防官は朝八時半から翌朝八時半までの二十四時間勤務。その間の食事は自分たちでまかなうそうだ。
署によってはお弁当を持参したり注文で済ませたりもするそうだが、今北斗さんが勤めている署では自炊が主らしい。
「昔はな。だがこのご時世、若いメンバーだけに任せて、上がふんぞり返ってるわけにもいかないだろう。積極的に当番に加わるようにしているよ。
率先して若い子たちを手伝いに行くところが北斗さんらしい。
そんな彼だからこそ、慕われているのだと思う。
「と言っても、他の仕事の関係もあって免除してもらうことも多いけどな」
「この前会った五十嵐さんなら、『隊長は座っててください』とか言いそうだものね」
「ああ、よく言われる。まあ、当の五十嵐が曲者なんだけどな」