愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
ふたりの声が重なり、私の右手と彼の左手が同時に動く。
先にパプリカを掴んだのは彼の方。
勢いあまってその上から手を重ねてしまい、私たちは「……!」「っ」と声を詰まらせる。
「ごめん」
「わ、私の方こそ!」
ただ手が触れただけなのに動揺してしまう。落ち着かず、胸の前でもじもじと手を組み変えた。
この前なんて、階段から落ちそうになったところを助けてもらったじゃない。あれに比べたら――。
ふと一糸まとわぬ姿で抱き支えられたことを思い出し、顔が熱くなる。
あ、だめ。あれは思い出しちゃいけないやつだった。
困惑していると、彼はパプリカを切り続けながら、ふっと笑みをこぼした。
「謝るのもおかしな話だよな。ただ、気安く真誉に触れると遊真に怒られる気がして」
「え、ええっ?」
お兄ちゃんが見ている、そう考えると確かに気恥ずかしいし、はばかられる。
「大丈夫よ、お兄ちゃんだってちゃんとわかってるから。北斗さんが私に触るときは、ちゃんと理由があるって」
たとえば階段から落ちそうになったときとか――また思い出している自分に気づき赤面する。
先にパプリカを掴んだのは彼の方。
勢いあまってその上から手を重ねてしまい、私たちは「……!」「っ」と声を詰まらせる。
「ごめん」
「わ、私の方こそ!」
ただ手が触れただけなのに動揺してしまう。落ち着かず、胸の前でもじもじと手を組み変えた。
この前なんて、階段から落ちそうになったところを助けてもらったじゃない。あれに比べたら――。
ふと一糸まとわぬ姿で抱き支えられたことを思い出し、顔が熱くなる。
あ、だめ。あれは思い出しちゃいけないやつだった。
困惑していると、彼はパプリカを切り続けながら、ふっと笑みをこぼした。
「謝るのもおかしな話だよな。ただ、気安く真誉に触れると遊真に怒られる気がして」
「え、ええっ?」
お兄ちゃんが見ている、そう考えると確かに気恥ずかしいし、はばかられる。
「大丈夫よ、お兄ちゃんだってちゃんとわかってるから。北斗さんが私に触るときは、ちゃんと理由があるって」
たとえば階段から落ちそうになったときとか――また思い出している自分に気づき赤面する。