愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
彼も例の一件が頭をよぎったのか、困ったように笑みをこぼした。

「それで、具材の大きさはこれくらいでいい?」

「あ、うん! 大丈夫っ」

声が変に裏返った。なんとも形容できない複雑な感情を胸の奥に押し込み、意識を料理に持っていく。

「みじん切りよりも、だいぶ大きいけどな」

「それくらいでいいの。お料理初心者が多いみたいだから、できるだけ簡単に調理してほしいし」

全部の具材を切り終えたら、フライパンにバターを引いて、冷蔵庫からひき肉を取り出した。

「本場のガパオは鶏肉だけど、大きめのお野菜がごろごろしている中に淡泊な鶏ひき肉を入れても負けてしまうから、旨みが強くてジューシーな豚肉を使うね」

ひき肉をフライパンに入れ、火が通ってきたら野菜を投入する。

パプリカ、ピーマン、玉ねぎは火が通りにくいけれど、食感が残っていても美味しいだろう。

ざっと炒めたあと、きのこ、そしてホウレンソウを加え味付けをする。

「普通は目玉焼きをのせるんだけど、人数分の目玉焼きを崩さずに作るのも難しいと思うから、玉子焼きにしてみようかな」

具材を皿に開けたあと、フライパンに薄く卵を引く。

< 33 / 155 >

この作品をシェア

pagetop