愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
彼は腰を屈めて「真誉」と優しい声で呼びかけてきた。
「以前、少し話したよな。俺がレスキュー隊に入った理由」
「ええ。子どもの頃、レスキュー隊員に助けられたから――」
「そう。でも、正確に言うと少し違う」
驚いて顔を上げると、彼の眼差しは陰り、表情は暗く沈んでいた。
「確かにあの日、レスキュー隊は俺を助けてくれた。感謝しかないよ」
今から十八年前、北斗さんの自宅が火災に見舞われた。
原因ははっきりしておらず、放火ではないかとも疑われている。
彼は地主の子で、ここから少し離れた場所にある平屋の大邸宅に住んでいた。
冬で風が強く乾燥していたせいもあり、火の回りが早く、木造の家はあっという間に業火に包まれてしまった。
当時からここに住んでいた私と兄は、火災の知らせを聞いて、母の制止も振り切り北斗さんの家に駆けつけた。
向かう途中、遠くの空に真っ黒い煙が立ち昇っていくのが見えて、怖かったのを覚えている。
消防車がウーウーと音を立て、私たちの横を通り過ぎていく。兄に手を繋がれながら、彼の家まで必死に走った。
「以前、少し話したよな。俺がレスキュー隊に入った理由」
「ええ。子どもの頃、レスキュー隊員に助けられたから――」
「そう。でも、正確に言うと少し違う」
驚いて顔を上げると、彼の眼差しは陰り、表情は暗く沈んでいた。
「確かにあの日、レスキュー隊は俺を助けてくれた。感謝しかないよ」
今から十八年前、北斗さんの自宅が火災に見舞われた。
原因ははっきりしておらず、放火ではないかとも疑われている。
彼は地主の子で、ここから少し離れた場所にある平屋の大邸宅に住んでいた。
冬で風が強く乾燥していたせいもあり、火の回りが早く、木造の家はあっという間に業火に包まれてしまった。
当時からここに住んでいた私と兄は、火災の知らせを聞いて、母の制止も振り切り北斗さんの家に駆けつけた。
向かう途中、遠くの空に真っ黒い煙が立ち昇っていくのが見えて、怖かったのを覚えている。
消防車がウーウーと音を立て、私たちの横を通り過ぎていく。兄に手を繋がれながら、彼の家まで必死に走った。