敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
「料理を褒められたのがきっかけで……嬉しくて舞い上がっちゃったんです」
お弁当を褒められ、食べたいと話す木下さんに、彼の分のお弁当を作ったのがきっかけだ。ほどなくして交際を申し込まれ、今まで誰とも付き合った経験がなかった私はためらいながらも首を縦に振った。
尋ねられ家事全般が得意だと話すと、逆に木下さんは家事が苦手だと告白してきた。『よかったら手伝ってほしい』と言われ、彼の家にご飯を作りに行くようになり、ついでに溜まっている家事もこなすようになる。
『未希、ありがとうな。すっげー助かる』
感謝され彼が喜んでくれるのが嬉しくて、私はできる限り彼に尽くした。会わない日でも彼の分のお弁当も作って、疲れているという木下さんに合わせて、外であまりデートできずに家で過ごすのが定番となったが、不満は口にしなかった。
いつの間にか恋人らしい過ごし方もなくなり、私は家事をして彼はスマホを弄りながらくつろいでいる。いつからこれが当たり前になったのか。
お弁当作っても反応が鈍くなり、なんとなく木下さんの態度も冷たくなったと不審に思っていた矢先、彼の浮気が発覚した。木下さん家を訪れた際に遭遇したのは同じ部署の橋本さんだった。
『なん、で?』
呆然とする私にふたりはまったく悪びれもせず、橋本さんは勝ち誇った笑みを浮かべた。
『沢渡さん、結婚アピール失敗ね。好きなら家事するだけじゃだめでしょー』
自分から結婚など口にしたこともないし、そんな願望をぶつけたこともない。
お弁当を褒められ、食べたいと話す木下さんに、彼の分のお弁当を作ったのがきっかけだ。ほどなくして交際を申し込まれ、今まで誰とも付き合った経験がなかった私はためらいながらも首を縦に振った。
尋ねられ家事全般が得意だと話すと、逆に木下さんは家事が苦手だと告白してきた。『よかったら手伝ってほしい』と言われ、彼の家にご飯を作りに行くようになり、ついでに溜まっている家事もこなすようになる。
『未希、ありがとうな。すっげー助かる』
感謝され彼が喜んでくれるのが嬉しくて、私はできる限り彼に尽くした。会わない日でも彼の分のお弁当も作って、疲れているという木下さんに合わせて、外であまりデートできずに家で過ごすのが定番となったが、不満は口にしなかった。
いつの間にか恋人らしい過ごし方もなくなり、私は家事をして彼はスマホを弄りながらくつろいでいる。いつからこれが当たり前になったのか。
お弁当作っても反応が鈍くなり、なんとなく木下さんの態度も冷たくなったと不審に思っていた矢先、彼の浮気が発覚した。木下さん家を訪れた際に遭遇したのは同じ部署の橋本さんだった。
『なん、で?』
呆然とする私にふたりはまったく悪びれもせず、橋本さんは勝ち誇った笑みを浮かべた。
『沢渡さん、結婚アピール失敗ね。好きなら家事するだけじゃだめでしょー』
自分から結婚など口にしたこともないし、そんな願望をぶつけたこともない。