敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
 店員に促されいくつか気なったものを伝えると、ケースから指輪を取り出し目の前に並べられていく。

 その中でゆるくウェーブを描いたデザイにピンク色の宝石とダイヤが並んで埋め込まれているものに目を奪われた。

「目を引きますよね。こちら普通のダイヤモンドと共に希少なピンクダイヤモンドが使われているんです。はめてみますか?」

 私の視線に気づいた 店員がすかさず勧めてくる。

「つけてみたら、どうだ?」

 どう返答しようか迷っていると、隣にいた隼人さんにも背中を押され私は小さく頷いた。

 婚約指輪のときもそうだが、アクセサリーをつける習慣もなかったのでどうしても緊張してしまう。

 慎重に左手の薬指にはめ、顔の前で手をかざしてみる、そこまで派手さはないが、煌めきは眩しい。

 綺麗……。

「いいんじゃないか。よく似合っている」

 店員よりも先に隣に座っていた隼人さんに褒められ、ふと冷静になった。

「で、ですが」

 ピンクダイヤは希少と言っていたし、どう考えてもそれなりのお値段がするのではと、今さら焦る。しかし店員がすかさず、この指輪と対になる男性の結婚指輪を取りに行った。

「似合っているし、未希が気に入ったならそれでいい」

「でも、私がここのお店を選んだのは、好きな映画の影響で……そんな理由ですし」

 女性ならお気に入りや憧れのジュエリーブランドがあってもおかしくないだろう。
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